実績

四畳半茶室改修/ 門新築 /母屋屋根替え工事 H様邸

四畳半茶室改修/ 門新築 /母屋屋根替え工事 H様邸
建築地:
兵庫県丹波篠山市
構造/規模:
木造/平屋建

四畳半茶室改修/ 門新築 /母屋屋根替え工事 H様邸

篠山市にて古民家を購入されたご夫婦のための改修工事です。

作陶家であるご主人は、端正な作風の磁器を作られますが、長年嗜まれているお茶は「侘茶」がお好みとのこと。広間にも炉を設けてはいますが、特に「侘茶」を楽しむためのお茶室をご希望されたため、家の一角を四畳半+床+脇の茶室へと改装しました。

改装にあたって頂いたご要望は窓の大きさや位置と、当時ご主人がお稽古で通われていた大阪のお茶室を参考に、ということでした。しかし、もともとお茶室ではない部屋を改修したこともあって、典型的なお茶室の要素と、元々の古民家の要素とを自由に組み合わせた茶室となっています。

例えば、天井は茅葺民家の屋根裏をそのまま利用しているため、通常のお茶室と比べれば非常に高く抜けています。点前座に設えた吊棚は構造材から直接吊って、空中に浮いているような印象になりました。
点前坐の中柱には、皮付き辛夷の曲がり材を使用しています。炉は、ご主人の遊び心で、所有されていた桃山時代の小ぶりの甕を埋め込み、古木で枠を仕上げていますが、お茶会に来られるお客様からは、上々の評判とのこと。

茶室は建物の西側に位置するので、夕方になると窓から柔らかい光が差し込みます。刻々と変化する光が段々暗くなると、床の燭台に蝋燭を灯します。そういう時間帯に開くお茶会が、ご主人のお気に入りなのだそうです。